家事や、育児などの日常業務に加え、家計を助けるためにパートに出てみたものの手首に痛みが走り、家事をやるのもしんどくなってきたあなた。
仕事も、周りの状況を考えると、簡単にやめるわけにはいかない。
そんな状態では、手首の痛みは、どんどんひどくなってしまいます。
きっかけは、お母さんの悲痛な叫びでした。
先日、私の整体院に、腱鞘炎のSさんが来院しました。
親指を伸ばしても、曲げても痛い。おまけに、第一関節が曲がらない。
結構、ひどい状態でした。
お話を聞くと、袋詰のパートをしているとのこと。
私は、そのお仕事の負担が大きいと判断し、思い切って転職を提案しました。
しかし、Sさんの現状を聞いて、なんとも言えなくなりました。
「わたしも、やめられるものならやめたいです。しかし、娘はこれから、高校、大学と教育費がかさむようになってくるし、今の職場をやめたら、次の仕事ってなかなか見つからないんですよ。この歳になると…」
Sさんだって、やめたほうがいい事は、わかってるんです。
それでも、やめられない理由があって、ここにたどり着いたのです。
なので、私は、Sさんが、現状のままで、すこしでも、手の状態が良くなるような方法をかんがえてみようと思い、このストレッチを考案したのです。
腱鞘炎の原因とは?
腱鞘炎の原因は「筋肉の固さ」にあります。
- お仕事などでの繰り返し行う作業(例:品出し、袋詰)
- 普段の生活の中で、腕を固めて行う作業(例:スマホ、パソコン)
それらのせいで、身体は本来の柔軟性を失い、固くなってしまうのです。
そして、伸び縮みができなくなった筋肉を無理に動かそうとすることで、関節付近に痛みがでる。
それが腱鞘炎です。
ですので、腱鞘炎を改善するための対策として、体の柔軟性を取り戻すことが最も重要になってくるのです。
ストレッチをする前にとっても大事なこと
もし、あなたがSさんと同じ状況なら今すぐにでも、ストレッチをしたいでしょうが、すこし落ち着いて、この文章を読み進めてください。
この文章を理解するだけで、あなたの腱鞘炎の回復率や再発率は飛躍的に向上するはずです。
そもそも、あなたはなぜ腱鞘炎になってしまったのでしょうか?ちょっと考えてみてください。
あなたと同じように、家事や育児をしながら、パートをしている方が日本中に何人いると思いますか?
それは数えきれないほどいると思います。
その中で、なぜあなただけが腱鞘炎になり、他の方は、腱鞘炎にならないのでしょうか?
じつは、その原因の多くは「肩」にあるのです。
例えば、荷物を持つとき、指1本でもつのと、5本指でしっかり持つのとではどちらのほうが負担が少ないでしょうか?
もちろん、5本指ですよね。
これと同じように、もしあなたが、お仕事や家事をするときに、肘から指先までの力しか使えてなかったとしたら、肩から腕全体の力を使えている人に比べて、格段に負担が大きいのです。
その積み重ねが、手首に痛みを生んでいるのです。
ですから、私の整体院に来る腱鞘炎患者さんのほとんどが、同時に肩こりを併発しており、肩の力が使えないような状態になっているのです。
なので、今後、手を使うときは、肩の力を使う意識を持つことが、腱鞘炎の有効な対策となります。
なぜ、一般的な腱鞘炎の対策では効果が出ないのでしょうか?
それは、一般的な腱鞘炎対策は、痛みのある部分に何かを施すという考え方のものばかりだからです。
上記にあるように、腱鞘炎の原因が身体の筋肉の柔軟性の低下から起こっているのであれば、それを解消しないで、痛みのある手首や親指を保護や治療をしても、根本的な解決にはなりません。
なので、治療したときは楽になっても、また手を使ってしまうと、すぐに痛みが戻ってしまうのです。
一般的な腱鞘炎対策については、以下の様な取り扱いにされることをお勧めします。
サポーター
文字通り、痛みのある箇所をサポートしてくれるので、痛みがすこし軽減します。
しかし、それはサポーターをつけている時だけ、改善しているわけではありません。
しかも、サポーターをつけていることによって、少し痛みがない分、動かしてしまい余計に痛めてしまうこともあるのです。
ですので、サポーターは負担が掛かりそうな時の一時的な腱鞘炎対策だと認識してください。
テーピング
テーピングは本来なら、負担がかかって痛む場所の負担を、他の部分に逃がすことで、痛みを感じづらくするというものです。
しかし、負担を患部から逃がしても今度は、逃された他の部分の負担が増え、結果として他の部分も痛めてしまうことがあります。
こちらも一時的な腱鞘炎対策だと認識してください。
シップ
シップはひんやりして、気持ちがいいですよね。
しかし、シップには消炎鎮痛という感覚を麻痺させる成分が入っており、それが皮膚を通して、体内に吸収されると、痛みが減ったように感じるというものです。
こちらも、改善を目的とするなら、あまり効果は期待出来ません。
どうしても痛くて、我慢できない!という時だけの使用をおすすめします。
注射
シップと同じ原理で、感覚麻痺成分を直接患部に注射します。
患部に見事に当たれば、痛みを感じなくなりますが、そうでなければ、効果をあまり感じられません。
しかも、注射自体が、かなり痛いので、おすすめしません。(効果は一時的です。)
手術
手術は最終手段だと捉えておいてください。
100%回復するなら良いのですが、当院には、術後の経過が思わしくない方もいらっしゃるのです。
その場合は、完全回復は難しくなります。
もしも、失敗してしまうと、一生、その状態の手と付き合っていかなくてはならなくなります。
手術という選択肢は残しておいて、まずは改善の可能性があるものから、しっかりと取り組みましょう。
自宅でできる3つの腱鞘炎の対策方法
腱鞘炎対策① 肩のストレッチ
腱鞘炎対策② 腕のストレッチ
腱鞘炎対策③ 手首のストレッチ
セルフケアのメリット・デメリット
このセルフケアをやれば、どんな人でもすぐに良くなるというような万能なものではありません。正直にメリットとデメリットをお伝えします。
メリット
- 比較的、安全で、どこかを痛めてしまうということがない。
- 肩こり・肘の痛みなど、腱鞘炎以外の効果も期待できる。
- 自分の身体に意識が向くようになり、身体の不調にいち早く気づけるようになる。
デメリット
- 一発で治るような、即効性のあるものではない。
- 毎日、決められた回数を続けないと、思ったような効果がでない。
- 人が多くいる所でやると、変な目で見られる(笑)
最後に・・・
本当なら、お仕事をやめて、家事も極力、ご家族に頼んで負担を減らし治療することが確実に治る方法です。
しかし、今のあなたの状況では、それがなかなか難しいようなら、まずは、この腱鞘炎対策を試してみてください。
それでも、痛みが強くなったり、ひどくなるようでしたら、やはり、腱鞘炎に精通している治療院を受診することをおすすめします。
お電話ありがとうございます、
みのり整体 名古屋金山院でございます。