ヘバーデン結節の患者さんに腎臓の話をすると、よくこんな質問をされます。
「え!なんで指先が痛いのに、腎臓が関係あるのですか?」
無理もありません。
指先と腎臓が関係しているなんて、病院でもいわれたことがないでしょうし、ましてや、指先と内臓、これだけ離れている場所だと想像もつかないと思います。
しかし、ヘバーデン結節の患者さんからヒアリングをしたり、お体を診ていった結果、ほとんどの方が、腎臓との関係性が深いことがわかってきたのです。
今回は、その経緯と改善方法についてお伝えします。
へバーデン結節の患者Sさんとの出来事
Sさんが、みのり整体に来院され、状態を聞いてみたところ、
「先生、指が痛いんです、雑巾も絞れないんです。」
かなり痛みが強く、表情も落ち込んでいました。
特に痛みのあるのは左手の薬指、他の指も変形していますが、薬指が痛すぎて、あまり気にならないようでした。
みのり整体では、基本的に痛みのある部分だけを診るということはしません。
なぜなら、どんな症状でも全身の影響を受けているから。
ですから、まずは下半身を丁寧に緩めることにしました。
その時、Sさんが「イタタタ!」という場所がありました。
その場所は腎臓と関係が深い場所。なんでこんなところがそんなに痛いんだろう??
そもそもみのり整体の施術は痛みを伴いません。
ですから強く押したり揉んだりしたわけでもないのです。
それでも痛みが強いので、その場所をしっかり緩めると、Sさんが「先生!何ですかコレ!」と叫びました。
見てみると、先ほどまで握ることさえできなかった手をグーバーしながら、
「先生、痛みがなくなりました!なんで?」
私自身も驚きました。
肩や腕はおろか、指にさえ触れていないのに、痛みが消え去ったのです。
なるほどこの症状は、単に筋肉のこわばりだけをみるのではなく、腎臓も関係しているんだと気がついた瞬間でした。
それから、私は、ヘバーデン結節と腎臓の関係について調べるようになったのです。
ヘバーデン結節の患者さんの共通点
ヘバーデン結節の患者さんのヒアリングをしていくとほとんどの方にある共通点がありました。
・主に40代以上の女性であること。
・コーヒーや甘いもの、お酒が好きなこと。
・痩せ型であること
・あまり運動をしていないこと。
ヘバーデン結節はかなり特徴的な症状です。
なぜなら、95%以上の方が女性であるということ。
婦人科系の症状以外で、男女差がこんなに偏っている症状はほとんどありません。
これらのことから、ヘバーデン結節改善のヒントが見つかってきたのです。
ヘバーデン結節と腎臓の関係
ヘバーデン結節を患うほとんどの方が女性だということから、女性ホルモンバランスの影響があるのだろうと推察できました。
女性はエストロゲンという女性ホルモンを卵巣から分泌し、その量は20~30代をピークにだんだんと減少していきます。
実はこのエストロゲンというホルモンは、腎臓の働きに深く関わっています。
そこで私は、ヘバーデン結節の患者さんの腎臓にアプローチをして、手の状態を確かめてもらうと、ほとんどの方が、痛みが楽になるというのです。
中には、全く痛くない!といった方もいます。
このことから、ヘバーデン結節の原因の一つとして、腎臓が関わっていると確信できたのです。
そもそも腎臓とはどんな臓器?
腎臓は、そらまめのような形をした握りこぶしくらいの大きさの臓器で、腰のあたりに左右対称に2個あり、大きくわけて5つの働きをしています。
1.血液を濾過して、体から老廃物を排出する。
2.塩分と水分の排出量をコントロールし、血圧を調整する。
3.血液を作る
4.体液を調整する。
5.強い骨を作る
ここで、注目したいのが「強い骨を作る」ということ。
骨の発育には複数の臓器が関わっています。その中でも腎臓は、カルシウムを体内に吸収させるのに必要な活性型ビタミンDをつくっています。
腎臓の働きが悪くなると活性型ビタミンDが低下し、カルシウムが吸収されなくなって骨が弱くなるなどの症状が出てきます。
ヘバーデン結節の症状は、骨が変形していきますので、強い骨がつくられないことこそが、ヘバーデン結節と腎臓の深い関係性を示しているのです。
ヘバーデン結節と腎臓の深い関係性
一般的には、あまり知られていませんが、人間の体は新陳代謝といって、肉体のほとんどが生まれ変わります。
例えば、
・皮膚は 28日
・胃腸は 40日
・血液は 127日
・骨は 200日
・肝臓・腎臓は 200日
ですから、約1ヶ月後には、今の体の皮膚は完全になくなり、新しい皮膚になっているということです。
そして、これはもちろん骨にもあてはまります。
もし、腎臓の働きが悪くなると、約200日後には、弱い骨になってしまうのです。
このことを考えた時に、ヘバーデン結節の指の変形には、冷え性と同じ現象が起こっているのではないか?と考えています。
ヘバーデン結節と冷え性の共通点
冷え性の女性は多くいらっしゃると思いますが、そのほとんどの方が、手や足の指、いわゆる末端の部分の冷えを強く感じています。
しかし、頭から冷えるとおなかから冷えるというような人はあまり聞いたことがありませんよね。
これには理由があります。なぜなら、人間の体は、常に生存することを最優先する機能が備わっているからです。
例えば、雪山で登山をした方が不幸にも凍傷になってしまった場合、最初に凍傷になるのは指先だということはなんとなく想像できると思います。
これは気温や体温の低下などで、体内の熱が体全体に行き渡らなくなったとき、人体は生存のために、もっとも重要な内臓や脳に体内の熱を集めます。
そして、その結果、熱の行き渡らなくなった末端が冷えてしまうからなのです。
もしもこの作用と、同じ現象が起きているとするのであれば、
- 腎臓の働きが悪くなる
- 体全体の骨を作る能力が衰える
- 生命が生存するために脳を守る頭蓋骨や内臓を守る肋骨、神経や血管を守る脊髄などを優先的に作る。
- その結果、末端の骨がもろくなり、変形する。
このような流れができても、何ら不思議ではないのです。
ヘバーデン結節を改善するために最も効果のある方法
前提として、腎臓に限らず、何かを改善していこうというときに、一般の方がよくやってしまう間違いがあります。
それは足し算と引き算の関係です。
例えば、お酒が好きで肝臓を悪くした人がいるとします。
その方は、肝臓機能を改善させるために、お薬やサプリメントをすることが多いのですが、そうではなくて、お酒をやめることが一番の改善方法なのです。
つまり、現在、起こっている症状は、過去の習慣に原因があるので、何かを足すのではなく、原因を取り除いていく。
これが最善の策になります。
ですので、腎臓の改善方法もまずは、コービー・甘いもの・お酒をやめることが最も効果的です。
ほかに、炭酸ジュースなどもあてはまります。
ここで大事なことは、過去の生活習慣の中で、自分が過剰に摂取していたものが、原因となっている可能性が高いということです。
なので、「私はコービー・甘いもの・お酒は口にしていないわ。」と安心するのではなく、振り返ってみて、あなたがよく食べたり飲んだりしていたものをやめてみる。
我慢できないようなら、他のものに置き換えてみる。
それだけでも、ヘバーデン結節が楽になっていくことがあるのです。
あなたがヘバーデン結節になった意味
ふいに指をぶつけて激痛が走ったり、ペットボトルやビンのふたが開けられなくなったり、
なんで、わたしだけこんなことになっちゃったんだろう・・・
と落ち込んだり、自分の体を恨んだりしたくもなるかもしれません。
でも、もし、あなたの体が、あなたに腎臓の異変を知らせようとしていると考えたらどうでしょうか?
腎臓は沈黙の臓器といわれているほど、自覚症状が出た時には、深刻な状態になっていることが多い臓器です。
逆に知らせがなかったら、大変なことになっていたかもしれません。
あなたの体は、あなたの一生を支える大事なパートナーです。
ヘバーデン結節という形で、気づきをもたらしてくれたご自分の身体に感謝してみてください。
それが、あなたの自然治癒力を引き出す大きな一歩となるはずです。
あなたのヘバーデン結節が一日も早く良くなることを祈っております。
お電話ありがとうございます、
みのり整体 名古屋金山院でございます。